妄想

こんな夢を見た

朝起きると雨は上がっていたが窓から漏れる光量からすれば曇りであることは想像できた。。

今日は燃えるゴミの日
魚を捌いた後だけにゴミは何としても出しておきたい

湯たんぽとの別れは辛いけれども、これも仕事と考えながら
のろのろとベッドを出た

相変わらず頭は働く気配がなく
何が現実で
何が夢なのか
もはや判別する気力も無い

外は思った通りに曇りだった
そして恐れていた通り冷え込んでいた

歩いて2分のゴミ集積所ではあるのだが
ためらうことなくクルマにゴミ袋を載せた

歩いて2分のところにクルマで行く
田舎暮らしは徒歩とは無縁だ
そういった意味では都会は人に運動を強要する

引っ越してきて以来増え続けた体重も80キロを目前に止まった
現在の摂取カロリーと運動量に対しての限界なのだろう
100キロを超えるには才能が要るのだ

集積所は年末らしく大量のゴミ袋が山積みになっていた

こんな田舎に住んでいると年末もクリスマスも関係がない
世の中に積極的に関わろうとしない限り
平凡な日々は平凡な日々でしかないのだ
そう思っては居ても否応なしに感じさせられることもある

家に帰ってからも否応なしに接点を感じる出来事があった
そう遠くない場所で同じような商売をしている男が満面の笑顔で訪ねてきたのだ
その男はいつも満面の笑みを浮かべている
いつでも
どこで会ってもそうなのだ
何がそんなに嬉しいのか
私にはわからない

その男は自分の店のパンフレットを置いてほしいという
私はそのパンフレットを預かった時
パンフレットの帯に書いてある「予備」という文字が気になったが
それを咎めるのも嫌味を言うのも大人気ないと思ったので
黙って受け取ることにした

すると男は
「この外壁って〜〜って色ですか?」と聞いてきた
ペンキ屋に頼んで調色してもらった色だから名前はないと答えると
「イヤー、イイ色ですよね」
「今度ウチの便所棟に塗りたいと思ってるんですよ」

私はコイツ、アホなのか?と思った
自分の店の外壁の色を便所棟に塗ると言われて嬉しいはずもない
やはり頭の具合が悪いからいつも笑っているのだと確信した

私の気分を察したのか、男は話を変えた
「今度、お店をお借りしてイベントをしたいと思ってるんですよ〜」
何言ってんだ、コイツ?
「こんなおしゃれな店はなかなか入りづらくてって人も多いと思うんで、その足がかりになるかもしれませんよ」
こんな便所棟の色の店の間違いじゃないのか?
便所棟みたいでは誰も入りたくもないだろう

そもそも私にはこの田舎を元気にしたい気持ちはないのだ
騒がしいのが嫌いだからココにいるのだ
騒がしいのが好きならば都会に住めばイイだろう
都会でイナカモン扱いされて帰ってきて
田舎でトカイモンぶるのはやめてほしい
恥ずかしくないのか?

私が黙っていると
それを察したのか
やっと男は帰っていった。。。。

!?
ベッドで目を覚まし時計を見ると
ゴミ収集車は行ってしまった時間だった
空は晴れている
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ゴミは月曜までお預けだと思った
しかし寒いし腐ることもないだろうと自分に言い聞かせた

そんなテンションで営業中!
クリスマスイブなので
夜も営業しちゃいます
エンドレスでやりましょうかね
お酒飲みに来てください

店長のヤギヌマ